初めてのコンタクトレンズ

初めてコンタクトレンズを使うにはどうすれば良いのでしょうか?
コンタクトレンズを購入するにはどうすれば良いのでしょうか?
目に合ったコンタクトレンズを選ぶにはどうすれば良いのでしょうか?
使い方はどこで教えてもらえば良いのでしょうか?
眼障害を起さないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

このページではコンタクトレンズを初めて使いたいと考えている方のために、コンタクトレンズに関する基本的な情報を提供しています。詳しくは眼科でご相談下さい。

当院はパセオコンタクトをコンタクトレンズの指定販売店にしています。

コンタクトレンズを作るには?

最初に眼科を受診して下さい。
最近ではテレビCM、量販店の広告、インターネットの広告などでコンタクトレンズの購入を誘導する様々な情報があふれており、コンタクトレンズをまるで眼鏡や化粧品やアクセサリーのように思っている方もいるかもしれません。コンタクトレンズは眼に直接のせて使用するため、角膜潰瘍などの重い眼障害を発症し、失明の原因となることもあります。そのため人工呼吸器などと同じ高度管理医療機器に分類されています。コンタクトレンズを使いたいとお考えの方は、最初に、眼の健康を管理し、眼障害を治療できる眼科を受診する必要があるのです。そしてコンタクトレンズの処方を受けることになります。はじめにコンタクトレンズの販売店に行くのではないことを理解して下さい。

眼科では何をするの?

コンタクトレンズを安全に装用できる眼かどうかを検査します。
角膜や結膜に異常はないか?涙の量や質は正常か?まばたきや開閉瞼状態に異常はないか?などのコンタクトレンズの適性検査を行います。さらに近視・遠視・乱視の程度を検出し、角膜曲率半径を測定し、視力検査で遠方の見え方を検査します。40歳以上の方であれば近方の見え方を検査します。適性検査で問題がなければ、コンタクトレンズの種類・製品を選び、眼に合ったコンタクトレンズを処方します。処方後は合併症や眼障害を予防するためにコンタクトレンズを使う方の定期的な検査を行い、眼の健康を管理します。

コンタクトレンズを選ぶには?

眼科医と相談して使用するコンタクトレンズを選びます。
コンタクトレンズを選ぶ条件は、まずは良く見えること、続いてつけ心地の良いこと、そして安全であること、最後に経済的であることです。広告にあったから、値段が安かったから、コンタクトレンズ販売店のスタッフに勧められたから、と言う理由で選んだコンタクトレンズでは、必ずしも眼に合ったレンズであるとは限りません。乱視の強い方は乱視を矯正できるレンズが必要ですし、ドライアイの方には乾燥に強い素材やデザインのレンズが必要です。アレルギー性結膜炎の方ならば毎日交換するレンズが良いかもしれません。パソコン作業が多い方、スマホ老眼の方、老眼の始まった中高年の方には遠近両用コンタクトレンズが適応になるでしょう。おしゃれのためにカラーコンタクトレンズを希望の方には、より安全性が高いと考えられる製品を選ぶ必要があります。体質によってはコンタクトレンズの使用そのものが難しい場合もあります。そのため、それぞれの方の眼の条件を考慮して、眼科医と相談して自分の眼に合ったコンタクトレンズを選ぶ必要があります。

コンタクトレンズの処方とは?

眼に合ったコンタクトレンズの規格を決めることが処方です。
眼科医がコンタクトレンズを使用する方の眼の形状、涙の状態、眼瞼結膜の状態、上眼瞼の圧力、角膜輪部と眼瞼縁の関係、屈折異常、調節力、コンタクトレンズの安定位置などを考慮して、使用する方と相談してレンズの種類(ハードレンズ、ソフトレンズ、使い捨てタイプ、頻回交換タイプ)・メーカー・製品を選びます。そして眼科医の判断でレンズの素材・ベースカーブ・サイズ・度数などの規格を決めます。コンタクトレンズを使用する方の屈折(近視や遠視の程度など)が変わった場合や製品が変わった場合には、レンズの規格も異なるため、改めて検査を行い、処方し直す必要があります。

装用指導を受けるには?

装用指導は予約制でしおや眼科で行っています。
コンタクトレンズが初めての方は、コンタクトレンズが処方されても、すぐには使えません。まずは眼科でレンズの入れ方・外し方などの装用練習を行い、ケアの仕方などの指導を受ける必要があります。1日交換タイプや2週間交換タイプのいわゆる使い捨てレンズであれば、装用練習後にトライアルレンズで数日間のテスト装用をしてから処方を受けることになります。当院では予約制で、お一人お一人に十分な時間を取って装用練習をしていただき、丁寧な装用指導を行っています。

カラーコンの安全性は?

一般的なコンタクトレンズより安全性は低いと考えられます。
カラーコンタクトレンズ(通称カラコン、サークルレンズ)の製品の問題点を報告した多くの論文が発表され、国民生活センターからもカラコンの問題点が指摘されており、カラコンには安全性が信頼できない製品が多くあると考えられています。そのためカラコンの処方の希望があっても、処方を一切しない眼科医もいるほどです。しかし日本をはじめとする東アジア圏では、オシャレを目的にした多くの需要があるのが現状で、日本では400種類以上もの数多くのカラコンが販売されています。私見では、これらの製品の中で素材や色素の封入構造などから判断して安全性に問題点が少ないと思われる製品は10数種類程度であり、カラコンを使用したい方が自分で安全な製品を選ぶことは困難だと考えています。当院では、これまで重篤な眼障害や合併症を経験していないカラコンの1日交換レンズを5製品、1日交換乱視用レンズを2製品、1日交換遠近両用レンズを1製品、2週間交換レンズを2製品、2週間交換乱視用レンズを1製品の計11種類の製品を処方しています。カラコンを使用したいとお考えの方は、自分のファッションイメージで製品を選ぶのではなく、眼科医と相談して安全性が高いと考えられる製品の中から選ぶことが重要です。

一番安全なのはシリコーンハイドロゲルレンズ?

酸素透過性の面からは安全なレンズと考えられます。
シリコーンハイドロゲルレンズは酸素透過性が高く、乾きにくい素材のため、ソフトレンズの中では、長時間装用や長期間装用での安全性が一番高く理想的なレンズと考えられます。しかし安全に快適に使用している方が多い一方で、従来素材のソフトコンタクトレンズと比べると眼との相性の良し悪しの個人差が大きく、装用してしばらくしてから違和感が出るようになり、角膜障害を起こしてしまう方、すなわちシリコーンハイドロゲルレンズ不耐症の方がいることが分かっています。そのため眼の条件を考慮しテスト装用をして、実際に処方されたレンズの装用開始後にも経過観察を行い、自分の眼とレンズとの相性を十分に確認して使用する必要があります。今後、より多くの方の眼に対応できる新しい素材の開発が望まれます。

遠近両用コンタクトレンズが合わない人はいるの?

個人差があり、合う人と合わない人がいます。
遠近両用コンタクトレンズはメーカーや製品で機能に違いがあります。一般的なコンタクトレンズより処方が難しいため、眼科によって処方成功率に差があると考えられます。当院では処方を希望する方には、その方にとって相性が最も良いと思われるレンズを選んでテスト装用してもらいます。それで満足する結果が得られなかった場合には、希望があれば別の種類の遠近両用コンタクトレンズに変更し、再度テスト装用をするというようにして、合うレンズが見つかるまでレンズを選び直し、テスト装用を繰り返します。当院では処方が成功して、70歳代、80歳代になっても老眼鏡を使わず、コンタクトレンズだけで日常生活を送っている多くの方を経験しています。処方のご希望のある方は眼科で相談し、テスト装用をしてみることをお勧めします。

眼障害を起こさないためには?

正しい使い方を守ること、定期検査を受けることが重要です。
コンタクトレンズによる合併症や眼障害は、使い方のルールを守らなかったり、誤った使い方をしたり、知らないうちにレンズに汚れ・キズ・変形があったり、眼科での検査を怠ったりして、トラブルに気付かないうちに発生することが多いと考えられています。そのため安全に快適に使うためには、眼に異常を感じていなくても定期的に眼科を受診することが重要です。日本眼科学会のホームページでコンタクトレンズ障害について解説しています。

購入するにはどうすれば良いの?

眼科医の指示書にしたがって購入します。
コンタクトレンズは眼科隣接専門店、コンタクトレンズ量販店、ドラッグストア、インターネット販売店などで販売されていています。しかし購入希望者に販売店が勝手に販売することや購入希望者が自由に購入することは許されていません。製品名・規格・枚数(箱数)が記載された眼科医による指示書にしたがって販売、購入しなければなりません。平成29年9月26日に厚労省局長通知(薬生発0926第5号)で小売販売業者向けに「処方箋不要」や「検査不要」等の医療機関の受診が不要であると誤認させるような販売行為は不適切であり、医師の指示に基づき販売するよう情報が発出されています。当院で処方したコンタクトレンズは、安全管理が確実にできることと処方後の規格変更などの利便性が高いことを考慮し、原則としてパセオコンタクトで購入してもらうことにしています。手続きをすれば希望する住所に直送できる製品もありますので、詳細は眼科のスタッフにご相談下さい。